History


1916年(大正5年)9月に東京医学講習所が開設され、井上達一先生が初代の生理学教授として教室を開設されました。その後、1919年(大正8年)、天谷千松先生が東京医学専門学校(1918年開設)の専任教授として就任され、1933年(昭和8年)からは和合卯太郎先生が教授として1939年(昭和14年)3月まで教室を主宰されました。

1937年(昭和12年)から慶應義塾大学医学部生理学教室より久保盛徳先生が併任教授として赴任されました。1949年(昭和24年)の東京医科大学の学部開設と共に、久保盛徳先生が初代教授に就任されて人員や教育の内容を整えられ、神経線維活動電流を捉え解析した我が国の先駆者として研究を展開されて基礎医学教室としての基盤を築かれました。

1957年(昭和32年)には大学院設置に伴い、第二講座(加藤勝治教授)が増設され、生理学第一講座の久保盛徳教授と共に現在の2講座制の生理学教室が発足しました。

1963年(昭和38年)に大畑進先生が第一講座の教授に就任されたのち、1965年(昭和40年)に、現在細胞生理学分野がある第三校舎が増築され、その一階に生理学教室が移転するのを機に、第二講座の若林勲教授が第一講座を主宰され、第一講座の大畑教授が柏木キャンパスに移転されて第二講座を主宰されることとなりました。

1971年(昭和46年)に登坂恒夫先生が教授に就任され、交感神経節のシナプス伝達機序の研究を精力的に展開されて、脳・神経系の働きを個々の細胞レベルで研究する「細胞生理学」の基礎を築かれました。

1999年(平成11年)に小西眞人先生が主任教授に就任され、細胞膜の輸送体・チャネルによるイオン輸送、神経伝達物質の放出機構を主なテーマとして生きた細胞を解析する手法を中心に研究を進められました。この間、2006年(平成18年)に生理学第一講座から細胞生理学講座へ名称変更、2014年(平成26年)の講座改革後、細胞生理学分野へ名称変更となりました。

2019年(平成31年)に横山詩子が主任教授に就任しました。歴代の先生方の輝かしい業績を基礎として、最先端の医学や工学の技術を取り入れながら1細胞から個体レベルの解析まで行い、100年以上にわたる歴史を持つ当分野をさらに発展させていきたいと考えております。